2025年4月27日日曜日

紺碧タイムズは早稲田大学ジャーナリズム学生のウェブメディアです。

東京の住民を悩ます海鳥 ウミネコ

東京都内でカモメの仲間であるウミネコによる騒音、糞害が問題となっている。被害が大きいのは特に繁殖期の4月から8月にかけてで、大群で飛来し、都心の建物の屋上に営巣する。その鳴き声は「ニャーニャー」と猫に似ていることからこの名が付いた。厄介なのは、1つの建物がウミネコ対策を行っても、隣の建物に移って営巣されてしまうため、地域全体としては騒音などの問題が解決されない点だ。住民や鳥害対策業者は「地域全体で対策をする必要がある」と指摘する。

大学財政 寄付がカギ

 日本の私立大学の授業料は4年間で平均約384万円と重い負担だが、それでも私大のうち約3分の1が財政赤字に陥っている。少子化などの問題に加えて近年の物価高騰の影響を受けていることが要因だ。この問題を解決するために寄付に詳しい専門家は「寄付による財源確保」を指摘する。さらに大学関係者は「財政が潤えば奨学金や留学の拡充など学生のためにできることが増える」と話す。

ハンセン病療養所「人権の森」に

全国に13施設ある国立ハンセン病療養所の一つで、都内では唯一となる多磨全生園(東京都東村山市)は、園が行なってきた緑化活動を通して療養所を人権の学び場「人権の森」とする将来構想の策定を進めている。2024年5月1日現在、多磨全生園に暮らすのは94人。平均年齢は88歳を超え、ハンセン病問題を当事者が解決するのに残された時間は限られてきている。「らい予防法」により国が長年強制隔離をしてきた歴史を後世にどう伝えるのか、差別や偏見の歴史を繰り返さないために何ができるのかが喫緊の課題となっている。

高田馬場ロータリー、ごみと闘う学生団体

 「うるさくて、汚くて、タバコ臭い」。早稲田大学教育学部3年の古見優太さんは高田馬場駅前ロータリー広場についてこう話す。「ロタ」とも呼ばれるこの場所は、学生街である高田馬場の「顔」として、早大生にはもちろん地域住民にも親しまれている場所だ。しかしロータリーにはごみが溢れかえり、その光景が「日常」と化してしまっている現実がある。その日常を変えるため、日々奮闘する学生団体の姿がある。

新宿の路上喫煙防止 近年は足踏み

早稲田大学がある新宿区では2005年に路上喫煙を禁止する内容の条例が施行され、通行者のうち路上喫煙者の割合を示す「路上喫煙率」が同区内では50分の1にまで激減する成功ぶりを見せた。ところが近年、区内の観測地点の集計では駅周辺の路上喫煙率は横ばいの状態が続いている。横ばいの原因について、大都会だけに住民の入れ替わりが激しく、地方や外国から来たばかりで路上喫煙禁止ルールを知らない新区民が常に多数いることも一因ではないかとの議論もあり、区は広報や啓発に力を入れる構えだ。

日本語教室 中心はボランティア

 人口の13%を外国人が占める東京・新宿区の区営施設、しんじゅく多文化共生プラザは新宿区内でも国際交流が盛んに行われる場所で、同区や近辺の外国人の日本語学習をサポートしている。中心となっているのはボランティアの人々。教室の関係者や外国人の日本語教育に関わる人々の話からは、こうした教室がただ日本語を習うためだけの場所ではなく、交流の場になっていることが浮かび上がってきた。

手賀沼を悩ます外来植物・魚

千葉県で印旛沼に次ぎ2番目に大きな湖である手賀沼は、かつての水質ワースト1を脱却して24年経つ今もゴミや外来種被害に悩まされている。かつて「日本一汚い沼」と呼ばれていたイメージを改善するため、地元自治体は清掃活動やイベント開催の取り組みを進め、地元住民も「昔に比べ断然過ごしやすくなった」と話す。

紺碧タイムズとは

紺碧タイムズは、早稲田大学教育学部社会科公共市民学専修のジャーナリズムゼミで学ぶ学生のウェブメディアです。
主に社会問題につながるテーマを学生記者として取材し、大学、地域、そして社会全体に向け報道しています。
紺碧は深みのある青色です。早大関係者にとっては応援歌「紺碧の空」に歌われる大切な言葉となっています。
紺碧タイムズの編集責任者はジャーナリズムゼミ担当教員の澤康臣(早稲田大学教育・総合科学学術院教授、元共同通信編集委員)です。
お問い合わせ: info@kompeki.jp

 

お知らせニュースレターを受け取る